大熊町の町制施行70周年記念式典が11月7日、町交流施設linkる大熊で行われました。
ふるさとの節目を祝い、吉田淳町長が「町内での記念式典挙行を本日迎えることができ、大変感慨深い思いです。これからは1年1年が正念場の年であるとの覚悟を胸に刻み、80年、90年、100年と続く節目が、着実に復興が進んでいることを実感できる記念日となり、今日と同じく、町民の皆さんと笑顔で祝うことができる日になるよう、職員と知恵を出し合いながら一層の努力をしてまいります」と式辞を述べました。
式辞を述べる吉田町長
また、町表彰条例に基づく表彰、町制施行70周年記念表彰、感謝状を合わせて8人の方々に表彰状を手渡しました。
出席者に表彰状が手渡されました
町内で10年ごとの周年記念式典が開催されるのは2004(平成16)年に町文化センターで行われた50周年記念式典以来です。
前回の町制施行60周年記念式典・行事は避難先の会津若松市といわき市での開催でした。
表彰後には、伊藤忠彦復興大臣、武藤容治経済産業大臣、浅尾慶一郎環境大臣、内堀雅雄県知事、西山尚利県議会議長らから祝辞をいただきました。
佐藤順(行政区長14年)
新長達郎(消防団員26年)
嶋貫光喜(教育行政における多大なる貢献)
阿部裕美(教育行政における多大なる貢献)
松岡保夫(教育行政における多大なる貢献)
東海林雅子(文化芸能振興における多大なる貢献)
渡辺隆弘(スポーツ振興における多大なる貢献)
リーキー 筆子(国際交流における多大なる貢献)
吉田 裕彦(監査委員として多大なる貢献)
渡辺利綱(歴代町長)
松永秀篤(歴代議長)
鈴木光一(歴代議長)
井川幸広(高額寄付)
記念式典終了後、音羽山清水寺の貫主、森 清範 師による記念講演「今日の夢は明日の希望」が行われました。
舞台で「夢」の一文字を揮毫し、70周年を迎えた大熊町を祝いました。
「夢」の一文字を揮毫した清水寺の貫主、森清範師
森 清範 貫主は1995(平成7)年から始まった、財団法人日本漢字能力検定協会主催の「今年の漢字」において、公募で選ばれたその年を表す一文字を京都府・清水寺の舞台で揮毫されています。
講演ではときにユーモアを交えながら「夢」に関する話を披露し、「夢で見たことをしっかりと受け止めて、心を定めることが大切。自身が見た夢をどう判断するかによって、自分の見えている世界が変わる」と述べました。
記念講演が行われた会場の様子
講演後には吉田町長が「人は苦しいとき神仏に願い、喜びのときも神仏に礼を尽くす。大熊町もまだまだ神仏に願うときが多いと思いますが、清水寺のある西の方角を拝みながら一歩一歩を歩みたい」と御礼の言葉を述べました。
町制施行70周年記念事業として、町立学び舎ゆめの森の演劇「きおくの森」の公演が行われました。
会津若松市での公演、昨年度の町内初公演に続き3回目の公演。
本番前のあいさつで南郷市兵校長は「子どもたちは、本校入学後に大熊町の豊かな自然、大切な人たち、大熊の歴史、文化などいろいろなものに出会ってきました。歴史、夢、未来。そういうものをこの舞台で表現して、皆さまと共有できればなと思います」とあいさつしました。
本番では、園児や児童生徒、教職員など約60人が出演。約1時間の劇を約200人の観覧者の前で披露しました。
劇は、夢幻的な世界観の中、大熊町の歴史を未来に向かって力強く描き出すオリジナルストーリーで、観覧者の心を大きく揺れ動かしました。
公演終了後、子どもたちは「人前で演劇をするのは緊張したけど、前より楽しくできた。人数が増えてもみんなで楽しく終わることができて良かったです」と、安心した表情を見せました。
いよいよ開演。円陣を組んで気持ちを高める出演者たち。
青い鳥を探し世界中を旅する旅人たちに出会うチルチルとミチル(中央)
白の作業員は土の中から思い出のかけらを集めます。
憧れの山の向こうをみるために旅にでることにしたくまわらしたち。
町に古くから伝わる稚児鹿舞(ちごししまい)
未来へ向かうゆめの森号に乗り込む少女(手前)。
役になりきって演じた学び舎ゆめの森の出演者。終演後は緊張感が和らぎ安堵の表情。
「きおくの森」上演までの子どもたちの活動の様子を学校のブログ<外部リンク>に掲載しています。ぜひ、ご覧ください。