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大熊町騎馬会の矜持

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年5月25日

相馬野馬追

国指定重要無形民俗文化財で旧相馬中村藩の伝統行事である相馬野馬追祭が5月25日から27日までの3日間の日程で開催されました。羊腸を駆ける一番旗の喝采

夏の風物詩として例年7月に開催されていた相馬野馬追祭は、昨年の猛暑の影響から開催時期が変更。今年から2か月前倒しの5月開催となりました。

今年の大熊町騎馬会は全10騎が出陣。勘定奉行を務める鈴木清彦さんを父に持つ鈴木太陽さん、家族が螺(かい)役を務めていた平子和さんが騎馬隊として初陣を飾りました。

出陣報告

相馬野馬追祭前日の24日、大熊町騎馬会は野上地区・諏訪神社を参拝し無事の帰還を祈願した後、大熊町役場で副執行委員長の吉田淳町長に出陣報告をしました。

出陣報告で口上を述べる小野田会長と初陣騎馬の二人
出陣報告で口上を述べる小野田会長と初陣騎馬の二人

吉田町長は出陣する騎馬武者らに「威風堂々たる勇姿がふるさとに勇気と希望をもたらすものと期待しています」とあいさつし、大熊町騎馬会長の小野田淳さんは「大熊町全町民の誇りと希望となるべく、赫々(かくかく)たる武勲を上げ、全騎無事の凱旋を誓います」と口上を述べました。

宵乗り

5日、本陣である南相馬市雲雀ケ原(ひばりがはら)祭場地まで各郷の騎馬武者が集結する宵乗りが行われました。

大熊町、双葉町、浪江町からなる標葉郷(しねは)の騎馬らは、浪江町中央公園に位置する標葉郷本陣に集結。郷大将に各騎馬会の代表が参集状況の口上を述べました。

騎馬らは螺役の合図に合わせ本陣から出陣。浪江町内を行列し、次の目的地である南相馬市の相馬小高神社に向かいました。

標葉郷本陣から出陣する島副町長
標葉郷本陣から出陣する島副町長

相馬小高神社では、神輿(しんよ)とともに雲雀ケ原祭場地まで向かうため、小高郷騎馬らと出陣する御発輦(ごはつれん)に合流。地元の住民らに見守られながら市街地を行列しました。

雲雀ケ原祭場地に到着した北郷、宇多郷、中ノ郷、小高郷、標葉郷の5郷の騎馬武者らは御成参道を行進し、総大将が陣取る本陣に向かい到着の口上を述べました。

各郷騎馬武者が祭場地に集合後には宵乗り競馬が開催され、大熊町騎馬会からは吉田昌平さんが出場。2着となり、羊腸の坂を駆け上がりました。

本祭り

6日は、南相馬市の野馬追通りに各郷の騎馬武者らが甲冑姿で揃い、本陣である雲雀ヶ原祭場地までの道のりを進軍しました。

到着後には、相馬野馬追祭の一番の見どころでもある甲冑競馬と神旗争奪戦が行われ、全国からの観客が集まる会場を盛り上げました。

甲冑競馬には吉田昌平さんと小野田政昭さんが出走しました。

神旗争奪戦では大熊町騎馬会から3騎が出場し、小野田会長が栄えある一番旗を獲得し、武勲をあげた報告のため、羊腸の坂を駆け上がりました。

(写真左)神旗争奪戦で一番旗を獲得した大熊町騎馬会長 神旗争奪戦で武勲をあげた小野田会長と吉田さん
(写真左)神旗争奪戦で一番旗を獲得した大熊町騎馬会長
(写真右)神旗争奪戦で武勲をあげた小野田会長と吉田さん

町内凱旋

武勲を上げた騎馬武者らは無事に大熊の地に帰還し、大川原地区で帰り馬行列を行いました。騎馬武者らの帰還を待っていた町民に称えられながら役場・子育て支援住宅間を堂々凱旋。

沿道沿いの観覧者に見守られながら凱旋する騎馬武者ら
沿道沿いの観覧者に見守られながら凱旋する騎馬武者ら

副執行委員長代理を務めた島和広副町長は吉田町長へ「我々のふるさとである大熊の地に凱旋し皆さまに勇姿をお見せできたことはうれしい限り」と報告しました。

最後は鈴木勘定奉行が相馬流れ山を歌い、騎馬武者、来場者らが歌に合わせ手拍子を叩きました。

野馬懸

相馬野馬追の最終日には、絵馬の由来とされる神事の野馬懸(のまかけ)が相馬小高神社で執り行われました。

囲いの中に放たれた野馬の中から、神社に奉納する御神馬を選ぶ野馬の追い込みが行われました。

囲いから野馬が出ないように見張る吉田さん
囲いから野馬が出ないように見張る吉田さん

神旗争奪戦で一番旗を勝ち取った小野田会長は「雲雀ケ原祭場地で神旗を取ったのは出場以来初めてのこと。一番旗だったことも含めて自分自身でも信じられない。一生に一度の経験をさせてもらった」と喜びを述べました。

親子で相馬野馬追に参加した鈴木清彦さんは「息子が野馬追に出るのは少し心配ではあったが、人間として成長してほしいという気持ちから親子での出場を決意した。大熊町の皆さんに見守ってもらいながら、自分の跡継ぎとして今後も出場していってほしい」と期待を述べました。

相馬流れ山踊りの祭場地披露

今回の本祭りでは大熊町・双葉町の相馬流れ山踊り保存会員らが南標葉郷代表として、雲雀ケ原祭場地で伝統ある踊りを披露し、観客、騎馬武者らから盛大な拍手が送られました。

全国からの観覧者、騎馬武者に踊りを披露した大熊町・双葉町の踊り手ら
全国からの観覧者、騎馬武者に踊りを披露した大熊町・双葉町の踊り手ら

各郷の相馬流れ山踊り保存会持ち回りで行われる祭場地での踊りの披露のため、会員らは昨年度から学び舎ゆめの森などで練習を重ねていました。

今年から流れ山踊り保存会に参加した会員は「出場騎馬や全国の観覧者らの前で披露するのは気が引き締まる思いだったが、先輩踊り手から『祭場地での踊りの披露は気持ちが良い』と言われながら練習をしてきた。実際に気分良く踊ることができた。」と述べました。

大熊町騎馬会・相馬流れ山踊り保存会は会員を募集中です

馬や乗馬が好きな方、伝統芸能や文化・歴史に興味のある方大歓迎です。詳しくは町生涯学習課社会教育係までお問い合わせください。ご連絡をお待ちしています。

お問い合わせ先

大熊町生涯学習課
電話番号:0240-23-7194

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