令和7年の年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。皆様にとって本年が健康で幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さて、東日本大震災及び原子力災害による全町避難から間もなく14年、帰町を果たしてから間もなく6年を迎えようとしております。
いち早く避難指示が解除された大川原地区におきましては、公営住宅や医療福祉施設、交流施設等が整備されたことで、安心して生活を営み、町内外から多くの方が訪れて、食事や交流を楽しめる場所となりました。
学び舎ゆめの森も開校し、現在では児童・生徒数も開校当時と比べて約3倍に増加しております。他では類を見ない教育方針に対する注目度は高く、連日多くの行政や議会、教育関係者が視察に訪れています。町の将来を担う子どもたちが大きな夢を持ち、安心して学び、健やかに成長できる環境を整えることは、私たちにとっても大変重要な課題であると認識しております。
下野上地区復興拠点につきまして、JR大野駅西交流エリアにおきましては、かつての中心市街地の賑わいを取り戻すべく、かねてより整備が進められておりました産業交流施設「CREVAおおくま」及び商業施設「クマSUNテラス」が先月ようやく完成し、今年3月のグランドオープンが待たれるばかりとなりました。また、同エリアには図書館や公民館、博物館の機能を有する社会教育複合施設が令和10年度に開館を予定しており、町内外から多くの方が訪れる場所として交流人口の拡大が大いに期待されるところです。
原地区におきましては、令和9年度にスーパーマーケット「マルト」の出店が予定されているなど、生活の利便性向上のための環境整備が着実に進められております。
しかし、明るい話題の一方で、町内には未だ広く帰還困難区域が残されているという事実も忘れてはなりません。私たち議会議員一同、ふるさとの全域を取り戻すという確固たる決意に何ら変わりはありません。まずは、町民帰還の実現及び居住人口の回復に向けた「特定帰還居住区域復興再生計画」に基づく除染等を着実に実施し、町内全域の除染と早期の避難指示解除に向けた取り組みを加速させるよう、国に対しより一層の働きかけを行ってまいります。
議会といたしましては、魅力あふれる新たなまちづくりを目指して、今後さらに創意工夫を重ね、皆様方のご期待に応えるよう決意を新たにするとともに、議事機関として公平で透明性のある議会運営に努めてまいります。そして、復興に向けて行政との連携を密にし、スピード感を持った政策実行を図ってまいりますので、引き続き議会へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆様が明るく希望に満ちた新年を迎えられることを願いますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
大熊町議会議長 仲野 剛