○大熊町文化財指定基準
平成22年12月24日
教委告示第1号
大熊町文化財保護条例(昭和47年大熊町条例第2号)の規定に基づき、大熊町教育委員会が行う文化財の指定は、この基準により行う。
1 大熊町指定有形文化財
(1) 建造物 建築物(社寺、住宅、公共施設等をいう。)及びその他の工作物(石塔、鳥居等をいう。)の建造物、遺構及びその部分並びに建造物の模型、厨子、仏壇等で、建築的技法になるもののうち次のアからウまでのいずれかに該当するもの
ア 意匠的又は技術的に優秀なもの
イ 歴史的又は学術的価値の高いもの
ウ 流派的又は地域的特色において顕著なもの
(2) 絵画・彫刻・工芸品
ア 各時代の遺品のうち製作が優秀なもの
イ 絵画史上、彫刻史上、工芸史上又は文化史上重要と認められるもの
ウ 題材、品質、形状、形態又は技法等の点で特色があり、意義の深いもの
エ 流派的又は地域的特色において顕著なもの
(3) 書跡・典籍
ア 書跡類のうち書道史上重要と認められるもの
イ 典籍類のうち写本類は、和書、漢籍、仏典及び洋書の原本又はこれに準ずる写本で文化史上重要と認められるもの
ウ 典籍類のうち版本類(版木を含む。)は、印刷史上重要と認められるもの
エ 書跡類、典籍類で歴史的又は系統的にまとまって伝存し、学術的価値の高いもの
オ 書跡類、典籍類で流派的又は地域的特色において顕著なもの
(4) 古文書
ア 古文書類のうち歴史上重要と認められるもの
イ 日記、記録類(絵図又は系図類を含む。)は、その原本又はこれに準ずる写本で歴史上重要と認められるもの
ウ 木簡、印章、金石文等は、記録性が高く、学術上重要と認められるもの
エ 古文書類、日記、記録類等で、歴史的又は系統的にまとまって伝存し、学術的価値の高いもの
オ 近世及び近代の古文書、日記、記録類等で町村制度、年貢、土地、諸産業、工事、支配、戸口、交通、交易、宗教、凶災、教育、文化等に係るもので、地域的又は学術的価値の高いもの
(5) 考古資料 各時代の遺物で学術的価値の高いもの又は大熊町の歴史上重要と認められるもの
ア 土器、石器、骨角器、木製品、石製品、玉類、土偶、土版等の旧石器時代・縄文時代の遺物で特に学術価値の高いもの
イ 銅鏡、銅鐸、銅剣、銅矛、玉類、土器類などをはじめ、弥生時代・古墳時代の遺物として認められる学術的に貴重なもの
ウ 古代、それ以後の遺跡、墳墓、寺院跡、城跡、宿場跡等からの出土品又は伝製品で学術的に貴重なもの
エ その他宗教、教育、学芸、産業、政治、軍事、生活等の遺跡からの出土品で、歴史的意義深く学術資料として貴重なもの
(6) 歴史資料
ア 政治、経済、社会、文化等歴史上の各分野における重要な事象に関する遺品のうち地域的又は学術的価値の高いもの
イ 歴史上重要な人物に関する遺品のうち地域的又は学術的価値の高いもの
ウ 歴史上重要な事象又は人物に関する遺品で、歴史的又は系統的にまとまって伝存し、地域的又は学術的価値の高いもの
2 大熊町指定無形文化財
(1) 芸能
ア 音楽、舞踊、演劇その他の芸能のうち次の(ア)から(ウ)までのいずれかに該当するもの
(ア) 芸術上価値の高いもの
(イ) 芸能史上重要な地位を占めるもの
(ウ) 芸術上価値が高く、又は芸能史上重要な地位を占め、かつ、流派的又は地域的に特色があるもの
イ (ア)の芸能の成立、構成上重要な要素をなす技法で優秀なもの
(2) 工芸技術 陶芸、染色、漆芸、金工その他の工芸技術のうち次のアからウまでのいずれかに該当するもの
ア 芸術上価値の高いもの
イ 工芸史上重要な地位を占めるもの
ウ 芸術上価値が高く、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地域的特色が顕著なもの
3 大熊町指定有形民俗文化財
(1) 次に掲げる有形の民俗文化財のうちその形様、製作技法、用法等において,町民の基礎的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
ア 衣食住に用いられるもの 例えば、衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等
イ 生産及び生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
ウ 交通、運輸及び通信に用いられるもの 例えば、運搬具、舟、車、飛脚用具等
エ 交易に用いられるもの 例えば、計算用具、計量具、看板、鑑札、店舗等
オ 信仰に用いられるもの 例えば、祭祀具、法会具、奉納物、偶像類、呪術用具、社祠等
カ 社会生活に用いられるもの 例えば、贈答用具、警防用具、若者宿等
キ 民俗知識に関して用いられるもの 例えば、暦類、卜占用具、医療用具、教育施設等
ク 民俗芸能、娯楽及び遊戯に用いられるもの 例えば、衣裳、道具、楽器、面、人形、玩具、舞台等
ケ 人の一生に関して用いられるもの 例えば、産育用具、冠婚葬祭用具、産屋等
コ 年中行事に用いられるもの 例えば、正月用具、節句用具、盆用具等
(2) (1)のアからコまでに掲げる有形の民俗文化財の収集で、その目的、内容等が、次のアからカまでのいずれかに該当し、町民の生活文化を知る上で重要と認められるもの
ア 歴史的変遷を示すもの
イ 時代的特色を示すもの
ウ 地域的特色を示すもの
エ 技術的特色を示すもの
オ 生活様式の特色を示すもの
カ 職能の様相を示すもの
4 大熊町指定無形民俗文化財
(1) 風俗慣習のうち次のア又はイのいずれかに該当し、重要と認められるもの
ア 由来、内容等において町民の基礎的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
イ 年中行事、祭礼、法会等の中で行われる行事で、芸能の基盤を示すもの
(2) 民俗芸能のうち次のアからウまでのいずれかに該当し、重要と認められるもの
ア 芸能の発生又は成立を示すもの
イ 芸能の変遷の過程を示すもの
ウ 地域的特色を示すもの
(3) 民俗技術のうち次のアからウまでのいずれかに該当し、特に重要なもの
ア 技術の発生又は成立を示すもの
イ 技術の変遷の過程を示すもの
ウ 地域的特色を示すもの
5 大熊町指定史跡
(1) 次に掲げる遺跡のうち大熊町の歴史の正しい理解のため欠くことができず、かつ、その遺構が比較的よく原形を保っているもので学術上価値のあるもの
ア 貝塚、集落跡、墳墓その他生活に関する遺跡
イ 城館、国府跡、屋敷その他政治・軍事に関する遺跡
ウ 社寺の跡その他祭祀信仰に関する遺跡
エ 教育研究施設、文化施設その他教育・学術・芸術に関する遺跡
オ 災害関連施設、医療関連施設その他社会生活に関する遺跡
カ 交通・通信施設、治水施設その他都市構造に関する遺跡
キ 商業・金融施設、生産施設その他経済・生産活動に関する遺跡
6 大熊町指定旧跡
(1) 大熊町指定史跡に準ずるもので、歴史の正しい理解のために欠くことができず、その遺構に歴史的価値の痕跡が残っているもの又は旧態を推定し得るもの
(2) 墓石、石碑その他歴史的価値のある記念物
7 墓石、石碑その他歴史的価値のある記念物
(1) 次に掲げるもののうち風致景観の優秀なもので古くから名所として知られているもの又は芸術的若しくは学術的価値の高いもの
ア 公園、庭園等
イ 橋梁、築堤等
ウ 花樹、草花、紅葉、緑樹等の叢生する場所
エ 鳥、獣、魚、虫等の生息する場所
オ 岩石、洞穴
カ 峡谷、瀑布、渓流、深淵
キ 湖沼、湿原、浮島、湧泉
ク 砂丘、砂嘴、海浜、島嶼
ケ 火山、温泉
コ 山岳、丘陵、高原、平原、河川
サ 展望地点
8 大熊町指定天然記念物
(1) 動物 次に掲げる動物のうち学術上貴重で大熊町の自然を記念するもの
ア 日本特有の動物で著名なもの及びその生息地
イ 学術上保存を必要とするもの及びその生息地
ウ 自然環境における特有の動物又は動物群聚
エ 特に貴重な動物の標本
(2) 植物 次に掲げる植物のうち学術上貴重で大熊町の自然を記念するもの
ア 名木、巨樹、老樹、畸形樹、栽培植物の原木、並木、社叢
イ 代表的な原始林、稀有の森林植物相
ウ 池泉、温泉、湖沼、河、海等の水草類、藻類、蘚苔類、微生物等の生ずる地域
エ 代表的な植物帯及び特異地域の植物群落
オ 着生草木の著しく発生する岩石又は樹木
カ 植物分布の顕著な限界地
キ 栽培植物の顕著な自生地
ク 稀有又は絶滅のおそれがある植物の自生地
(3) 地質鉱物 次に掲げる地質鉱物のうち学術上貴重で大熊町の自然を記念するもの
ア 岩石、鉱物及び化石の産出状態
イ 地層の整合及び不整合
ウ 地層の褶曲及び衝上
エ 地震断層など地塊運動に関する現象
オ 洞穴
カ 岩石の組織
キ 温泉及びその沈澱物
ク 風化及び侵食による地質現象
ケ 生物の働きによる地質現象
コ 硫気孔及び火山活動によるもの
サ 氷雪霜の営力による現象
シ 特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本
(4) 天然保護区域保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域
附則
この告示は、公布の日から施行し、平成22年12月21日から適用する。