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平成30年度施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年4月2日

施政方針

3月6日から14日まで開かれた大熊町議会定例会の初日、平成30年度の施政方針を表明しました。これは、4月からの町政運営の基本方針、重点施策、予算等を町民の皆さんに説明したものです。今回は重点施策を一部要約してご報告します。

大熊町長 渡辺利綱

重点施策

役場庁舎建設

平成31年3月の完成を目指し、大川原地区で役場庁舎建設工事に着工します。併せて、町民が安心して帰町できるまちづくりを目指し、緊急時など迅速な体制が取れるよう職員が町内に常駐するための職員宿舎を平成30年度中に建設します。

町政懇談会

帰町への取り組みが本格化する大事な一年ですので、広くご意見・ご要望を伺う機会を設けるため、町政懇談会を開催します。可能な限り多くの方にご参加いただけるよう開催時期や開催地、進行方法に配慮し、生の声を町政に反映させたいと考えています。

税務関連

当初予算における税収額を37億9千596万6千円と定めました。適正な課税に努めるとともに、避難生活が続いており、引き続き税負担軽減を図る減免措置を講じます。

なお、避難指示解除後の課税について、先行解除された隣接町村の実績等を踏まえ、種々検討を行い、準備を始めます。

滞納処分は税の公平性を確保するため、税務署、県税部および郡内の他町村の動向を見極めながら実施します。

家屋の被害状況調査についても、早急に実施できるよう対応します。

特定復興再生拠点区域

帰還困難区域内に設定した「特定復興再生拠点区域」の復興再生計画を策定し、昨年11月に国の認定を受けました。この区域では除染とインフラ整備を行い、概ね5年以内の避難指示の解除を目指します。具体的には平成34年春頃までの避難指示解除を目標として除染および整備を進めます。

特にJR常磐線の全線開通の予定に合わせ、大野駅とその周辺および大川原の復興拠点と主要道路へのアクセス道路は、平成31年度末頃までの避難指示解除を目指します。

放射性物質による汚染状況などから、今回、特定復興再生拠点区域に認定されなかった区域は、今後の荒廃抑制策や利活用について「帰還困難区域における中長期復興構想」をとりまとめています。

政府は「長い年月を要しても、帰還困難区域のすべてを避難指示解除する」としており、町としても、農地等の荒廃抑制策に取り組むとともに、大型モータープールやリサイクル産業等の誘致などにより、特定復興再生拠点区域を拡大し、除染や避難指示解除につなげたいと考えています。

第二次復興計画と大川原

復興再生計画の認定を含めた環境変化に対応するため、これまで復興の中心軸としてきた「大熊町第二次復興計画」を早期に見直し、より具体的な実効力のある計画とします。見直し後は、詳細な時間軸を持つ「実施計画」にまとめ、確実に復興を進めます。

大川原の復興拠点は常磐自動車道西側の用地取得が完了し、造成工事に着手しました。平成30年度から31年度にかけて役場庁舎や復興公営住宅などが順次完成し、帰町できる環境が整います。一人でも多くの人が住みたいと感じられるまちづくりを目指します。

おおくままちづくり公社

町内不動産利活用支援事業として、空き家・空き地バンクの運営や不動産のマッチング事業により、町民の皆さんの土地や住宅などの利活用について相談をいただき、賃貸や売買など積極的かつ有効な活用につながる方法を提案します。

また、地域ふるさと絆づくり事業として、町内外で町民の交流を促進するイベントを実施します。平成31年度以降に完成を予定している交流施設や復興住宅などの公共施設の管理運営にも関わり、町と町民の皆さんとをつなぐ役目を担うと考えます。

中間貯蔵施設

環境省によると、平成30年1月末現在、1,331人の地権者の方から契約の同意をいただき、中間貯蔵施設用地の全体面積約1,600ヘクタールの半分に当たる約801ヘクタールを取得したとのことです。

これは地権者の皆さんの苦渋の決断により進められていることを改めて認識するとともに、環境省に対しては、引き続き地権者に寄り添いながら、ご理解いただく努力をするよう強く求めていきます。また、町民からの信頼を得られるよう、施設の安全な稼働・管理体制性についてもしっかりとした対応を求めます。

アーカイブズ事業

町内の帰還に向けた整備、変わりゆく町の風景を記録し後世に残すため、平成30年度も大熊中や総合体育館の3Dデータ化、中間貯蔵施設や下野上地区、大川原の空撮による記録、大川原復興拠点の整備の様子の記録を継続します。

国保と後期高齢者医療制度

国民健康保険法の改正により、平成30年度からは県が財政運営の責任主体となります。町としては、被保険者がこれまで受けている医療水準やサービスの低下を招かないように努めます。後期高齢者医療制度も広域連合との連携のもと保健事業に力を注ぎ、安定的な事業運営に努めてまいります。

なお、国の財政支援は保険税・保険料の減免および医療費一部負担金の免除期間が1年間延長になりました。今後も避難生活が続く限り、財政支援がなされるよう国や県に要望します。

高齢者福祉

大熊町社会福祉協議会と連携し「生活支援相談員の訪問・サロン活動」、「緊急通報システム利用事業」委託による見守り活動、民生児童委員による相談支援を進めます。

昨年度に再開した敬老会も継続して実施し、交流を通した生きがいづくりを支援します。

要介護高齢者の在宅福祉サービスを充実させながら帰還に向けてグループホーム建設、大熊町社会福祉協議会事務所建設の基本設計など復興拠点での福祉関連施設の整備を進めます。

タブレット端末

現在3,800台を運用しており、町独自のアプリケーションや町ホームページなどを活用した情報発信・掲示板機能を活用した情報発信と、きずな維持につながる情報を提供し、町民同士の交流と利用率向上につなげます。

障がい者福祉

「障害者総合支援法」への適切な対応のため、円滑にサービス提供できるよう、相談事業所と業務委託し県内全域の相談支援体制を進め、自治体、基幹相談支援センターをはじめ関連機関と連携を取りながら障がい者・障がい児支援の充実・強化を図ります。

児童福祉

平成30年度に「大熊町第2期子ども・子育て支援事業計画」を策定します。町民に寄り添った計画となるようニーズ調査などを実施し、子育て家庭に対する支援をより充実させます。

保育行政は、大熊町保育所費用徴収規則の利用者負担額について、平成30年度も引き続き避難先で保育所を利用する際の「保育料の一部助成」を行うことにより、保護者負担の軽減を図ります。

原子力損害賠償

家賃賠償が平成30年3月で終了する予定ですが、関係町村から国・東電への働きかけにより、平成30年4月以降は県による支援事業という形で実施されることとなりました。また住居確保損害についての賠償は、これまでは移住先住居の再取得費用の賠償のみ請求が可能でしたが、今後の避難指示解除に伴い、町内への帰還住民が想定されることから、帰還先住居の建替え・修繕費用の賠償も請求できることとなりました。

今後も実態に即した賠償を継続するよう、国と東電に強く要望していきます。

保健衛生

「生活習慣病の予防」と「心の健康づくり」を重点目標に掲げ、町民一人ひとりが自身の健康を守ることができるように、平成30年度より新たに「ふくしま「健」民パスポート事業」に参加するなど健康づくりを啓発し、より多くの町民が健診を受けることで自分の健康状態を知り、疾病の予防や重症化予防を図れるように事業を展開します。

震災から7年が経過し、心身に不調を抱える町民が今もなお増えていることから、関係機関と連携を図りながら訪問・相談等による町民の心のケアに努めます。

介護保険

平成30年度から3年間は、第7期介護保険事業計画に基づき、当町の介護保険事業を実施します。

要介護認定者数、介護給付費は微増傾向にあり、介護保険の手続きや問い合わせなど滞りなく対応できるよう、避難先自治体など関係機関との連携を強めます。本格的にスタートする地域包括ケアシステムの深化を進め、さらに高齢者の不安解消、生活支援と適切な介護支援に努めます。

なお、引き続き平成30年度の第1号被保険者の介護保険料の減免と利用者負担金の負担軽減措置を行います。

住宅支援

応急仮設住宅から恒久的な住宅への移行が進んでいます。県の復興公営住宅は3月までに概ね完成する見込みで、入居を希望する町民の応募を促します。

一方で応急仮設住宅は会津若松市内が5か所に集約され、いわき市内は2か所に集約する予定です。今後も統廃合を検討します。

帰町を選択した町民や企業の従業員・研究者の居住環境として、大川原の復興拠点内に、復興公営住宅50戸と公的賃貸住宅40戸を整備します。完成時期は平成31年度上半期の見込みです。

避難生活支援

中間貯蔵施設の整備に伴う長期避難の生活支援を目的とした生活サポート補助金制度は、次年度も申請の支援体制の充実を図り、広く活用いただけるよう取り組みます。

生活応援物資の配布と、買い物・通院を支援するバスの運行を継続します。

国の復興支援員制度の活用を継続し、各地で活動する町民コミュニティ団体の運営支援を引き続き行います。行政区や仮設住宅の自治会などへの補助支援や、交流施設の運営により、町民同士が交流できる機会を引き続き提供します。

生活環境

災害対策本部の運営、町民の一時立ち入り、公益立入業務のほか、各地に避難している町民などからの放射線や墓地の改葬等の問い合わせなどの窓口業務を継続します。

生活環境関係に関しては、大川原地区の新たな町営墓地の供用開始に向け、条例等を整備します。また、町内全域でのごみの回収、既存の共同墓地の環境整備や狂犬病予防注射等の畜犬管理などを引き続き実施します。

防犯・防災・消防

大川原の町民立ち寄り所を警察官立ち寄り所として運用し、警察と情報を共有して地域の防犯強化に努めます。

防災行政無線やエリアメールによる携帯電話への警報通知などを行います。平成29年度に着手した「大熊町地域防災計画」の完成に向け、策定業務を進めていきます。

富岡消防署と連携し、町内の消防水利や防火帯の設置等を図り、町内の火災予防に努めます。

消防団員の募集を継続し、継続的な活動、さらに検閲や訓練を実施し、帰還まで消防団の継続強化に努めます。

放射線対策

町内の大気、水質、土壌の環境調査や放射線についての調査を継続し、結果を町民の皆さんに報告します。

また、既存の気象観測装置やモニタリングポストの観測データを分かりやすく編集し、町公式ホームページや広報紙で公開します。

中屋敷・大川原地区の宅地内の放射線環境調査を行い、帰還できる環境を検証しながら、避難指示解除に向けた取り組みを進めます。

道路整備・護岸対策

震災により道路、水路、河川、海岸等が甚大な被害を受けましたが、帰還困難区域でも国・県の協力を得ながら復旧に努め、道路の整備、熊川の海岸堤防、河川の護岸整備調査を進めます。

町民が立ち入る際の安全を確保するため、定期的な町内パトロール、町道・農道・水路・溜池等の点検、維持工事により除草や補修工事を実施します。特に、防災・防火対策として重要な幹線水路の常時通水を確保するため、広域消防署と連携しながら幹線水路を重点的に点検し、安心・安全を図ります。

大川原と中屋敷

道路・農業用排水路の整備はもちろんのこと、大川原地区の上下水道の整備や、中屋敷地区の生活用水である井戸の整備も完了し、平成28年度から特例宿泊を開始していますが、さらに安全な帰還に向けた生活環境の整備を進めます。

復興の拠点となる大川原地区は、平成29年9月に基盤整備事業の起工式を行い、現在はそれぞれの施設整備に合わせた造成工事を実施し、平成31年度の完成を目指しており、地区からの幹線道路の整備・計画を進めています。

交通インフラ

JR常磐線は平成31年度末の全線開通に向けて残る富岡.浪江間の整備が順調に進められており、町としても、大野駅舎および震災前に整備途中だった駅東口、駅西口の整備に向けてJR東日本と協議しながら進めます。

常磐自動車道(仮称)大熊インターチェンジは平成30年度完成に向けて工事が進められており、インターからの交通量の増大による通行の安全を確保するため、中間貯蔵施設予定地内への運搬に必要な工事用道路の整備を進め、町内全域にわたるスムーズな道路網の体系を確立します。

坂下ダム

ダム管理システムが徐々に復旧しているものの、今後も警報局を含めた完全復旧とダムの適切な維持管理に努めます。現地連絡事務所による町内の保全・一時帰宅者の支援体制が確立し、憩いの場としても利活用されており、さらなる環境整備を目指します。

農林水産業

中屋敷、大川原で野菜の作付け出荷制限が解除され、一部で農業活動が行われています。引き続き福島大、京都大と連携し、居住制限区域と帰還困難区域の農作物の放射能測定調査を行い、水稲の作付け出荷制限解除に向けて大川原での実証栽培を継続します。

農地保全

大熊町農業復興組合による草刈・耕起等の実施、地力増進作物の播種、景観作物栽培を通したひまわり交流を実施するとともに、帰還困難区域の農地のあり方については、エネルギー作物の調査・試験栽培を行い、関係機関と協議しながら新たな農地保全管理の構築を図ります。

太陽光発電事業は平成27年から3ヘクタール、昨年10月からは約16ヘクタールの発電施設が稼動しました。売電利益の一部は農業関連事業に活用でき、今後も農地保全と併せ再生可能エネルギー発電事業を進めます。

植物工場と商工業

幹部候補生の研修を継続し、運営法人の設立、栽培施設の建設に着手します。この事業により町内の農業活動を再開させ、農業に対する希望、町民帰還、雇用創出、営農意欲の向上を図ります。

イノシシの捕獲事業、昨年から再開した熊川での鮭稚魚放流事業を本年も行います。

大熊町商工会と連携し、商工業者の経営支援対策を図ります。併せて住民帰還への環境整備を図るため、本年より大川原復興拠点内に商業施設を整備します。

ふるさとまつりはいわき市で開催します。

学校教育

園児・児童・生徒の減少に歯止めはかかりませんが「学んでよかった」と言ってもらえる質の高い教育環境を整備します。小規模校の強さは、一人一人の子どもに丁寧な指導ができることです。読書活動と体験活動を柱に、個々の能力や個性を引き出す教育を徹底します。

これまで小・中学校教育で情報通信技術(ICT)を活用し、実践的な研究を続けてきました。平成30年度は秋に、その研究発表会を開催します。成果と課題を踏まえ、さらに研究を深めます。

「笑い」と「笑顔」のある学校を目指してきましたが、平成30年度も「教育と笑いの会運営委員会」を中心に進めます。

平成29年度に総合教育会議を開催し、教育委員の皆さんとこれからの大熊町の中・長期的な教育の在り方を協議してきました。そして「5年後を目安に大川原に幼、小、中を新築し、再開をめざす」ことを発表しました。

平成30年度は、これを受け、新たに立ち上げる「大熊町未来教育推進協議会」(仮称)などの意見をいただきながら、「総合教育会議」でその可能性を探ります。

社会教育

平成29年度に実施した読書旅行や県民スポーツ大会への参加をはじめ、「自主性と交流」を合言葉に、活動場所など工夫しながら、平成30年度も町民の自主的な学びと交流が広がるように支援します。

会津若松市教育委員会等が開催する行事にも町民が参加できるよう調整し、平成29年度に立ち上げた「地域学校協働本部」を仲立ちとして、子どもたちの「ふるさと創造学」の学習活動をとおしても、町民の学ぶ機会となるよう工夫します。文化財等の保護、特に民間所有文化財のレスキュー活動を促進します。

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