はじめに、医師や看護師、病院スタッフの皆さま、そして、感染症対策に携わる保健所や臨床検査技師の方々など、新型コロナウイルスとの闘いの最前線で懸命にご努力いただいている関係の皆さまに、深く敬意と感謝の意を表します。
5月14日、政府は、福島県を含む39県について、今月31日を期限として発令していた緊急事態宣言を、前倒しして解除することを決定しました。
大熊町においては、4月16日に緊急事態宣言の対象地域が福島県を含むすべての都道府県に拡大されたことを受けて、町民の皆さま、事業者の皆さまに対し、これまで「福島県緊急事態措置」により、外出の自粛、施設の使用制限、イベントの開催自粛などのご協力をお願いしてまいりました。
町内では、皆さまにご協力いただいた結果、感染者の発生はありません。また、福島県でも5月9日から新たな感染は発生していない状況です。
こうしたことから、今回の政府の決定を踏まえ、5月15日をもって福島県が「福島県緊急事態措置」を解除しました。これまでの約1か月間、多くの皆さまには大変なご不便、ご苦労をお掛けしました。皆さまのご理解とご協力に改めて深く感謝を申し上げます。
一方で、新型コロナウイルスとの闘いは、長期戦になることが見込まれます。今回、緊急事態措置が解除されましたが、今後、再び感染が拡大する可能性も十分にあり、先行きは不透明と言わざるを得ない状況が続いています。そこで、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、次の点についてお願いします。
それは「新しい生活様式」の定着等についてであります。町民の皆さまにおかれましては、「換気の悪い密閉空間」、「大勢いる密集場所」、「間近で会話する密接場面」の「3つの密」を引き続き避けるとともに、マスクの着用、手洗いなどの手指衛生、人と人との距離の確保といった基本的な感染対策を継続するという「新しい生活様式」を徹底していただくようお願いします。
事業者の皆さまにおかれましては、時差出勤など通勤時における人との接触を低減する取組を進めるとともに、今後の長期的な対応も見据えて、在宅勤務やテレワーク、出張に代わるテレビ会議の導入・活用などを、より一層推進していただきますようお願いします。
また、改めて、不要不急の都道府県をまたぐ往来は極力控え、特に特定警戒都道府県との往来は自粛していただくようお願いします。さらに、クラスターが発生しているような施設や、「3つの密」のある場への外出は控えていただくようお願いします。
最後に、新型コロナウイルスにつきましては、今後も持続的な対策が必要になると見込まれています。自分を守ること、そして自分の大切な人を守る行動が、医療現場の負担を減らし、社会を守ることにつながります。私たち一人一人が、これまでの日常生活における行動を変え、「新しい生活様式」を定着させていきましょう。
新型コロナウイルスの陽性となった方やその関係者、医療従事者など感染症の拡大防止に向けて懸命にご努力いただいている皆さまに対する差別や偏見は、絶対なさらないようお願いします。
他人への思いやりを持って、辛抱強く、様々な努力と工夫を重ねながら、町民一丸となって、この困難、難局を乗り越えていくことができるよう、引き続き、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。
2020年5月18日
大熊町長 吉田 淳