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2019年度施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年4月1日

施政方針

日本は間もなく新元号に変わり、新しい時代を迎えます。これになぞらえ、私は本年を大熊町の 「帰町元年」と位置付け、職員一丸で町民のため、古里のため、そして大熊町の新しい時代のため復興に全力を尽くす所存です。

役場新庁舎での本庁舎業務の再開は、復興に向けた一つの通過点に過ぎません。しかし、これをきっかけに町の風景は大きく変化するでしょう。引き続き、帰還を選択できるまちづくりを進めます。

避難先の方に対しては、今後も安心して暮らせる支援体制の確立に加え、古里の絆を確認できるような施策のあり方も探ります。町に関心を持ってもらい、まちづくりに参加してもらい、魅力ある町の将来像をともに考えられたら、と願っています。

大熊町長 渡辺利綱

 

3月7日から20日まで開かれた大熊町議会定例会の初日、2019年度の施政方針を表明しました。これは、4月からの町政運営の基本方針、重点施策、予算等を町民の皆さんに説明したものです。今回は特に重要と位置付ける施策を一部要約してご報告します。

重点施策

役場新庁舎

大川原地区に建設を進めていた役場新庁舎が、3月末に完成しました。今月、開庁式を開催し、5月7日から新庁舎での業務を開始する予定です。

税務

避難生活が続いており、引き続き被災者の税負担軽減を図る減免措置を講じます。

避難指示解除後の課税については、先行解除された隣接町村の実績、法令等を踏まえ、避難指示解除区域での固定資産税、国民健康保険税の課税再開の準備をします。

個人町県民税の減免率変更について、2023年度を目途に1,000万円を超える高額所得者に対する減免の廃止を検討し、合わせて全体を見直していきます。

特定復興再生拠点区域

2020年3月までにJR常磐線全線開通および大野駅周辺の一部先行解除を目指し、2022年春の区域内全面解除を目標に区域の整備を進めます。

また、今後続く復興事業の際の用地取得を一挙に担う新しい組織として用地対策室を新設し、事業に遅れを生じさせない体制を構築します。

特定復興再生拠点区域外

除染等に伴う不燃物を取り扱うリサイクルセンターの誘致が進められています。この用地を特定復興再生拠点区域に含め、区域の一部拡大を目指します。同様に他の拠点区域外の地域も、区域への拡大を進めるとともに、残された区域の除染および避難指示解除の時間軸や手法を早急に示すよう、引き続き国に求めます。

第二次復興計画

1月に町民向けアンケートを実施し、計画の改訂版を取りまとめました。アンケートの集計結果と合わせ、皆さんのお手元に届けます。改訂内容は実施計画に落とし込み、遅れのないようしっかりと進めます。

大川原地区復興拠点

役場庁舎や住宅、商業施設、福祉施設などが完成していきます。その他の土地は駅前地区の整備計画と調整し、じっくりと用途を検討します。

まちづくり公社

不動産利活用事業は昨年末現在、土地の活用を希望する申し込みが120件ありました。引き続き登録申し込み件数を増やすとともに、町民の皆さんのニーズに合致する用地の紹介ができるよう継続します。公社と連携し駅前等、特定復興再生拠点区域内外の整備復興を進める考えです。公社の帰還環境整備推進法人としての役割を踏まえ、町民が帰町する上での必要な体制や組織、支援のあり方等を検討します。

賠償

必要とされる賠償の継続をしっかりと求めるとともに、迅速な支払いを行うよう、国や東京電力に対し引き続き要望します。

中間貯蔵施設

環境省によると、昨年末現在、1,652人の地権者の方から契約をいただき、中間貯蔵施設用地の全体面積約1,600ヘクタールの約67.3%に当たる約1,076ヘクタールを取得しました。引き続き、地権者の皆さんの理解、汚染土壌の施設への運搬時および施設自体の安全性の確保、そして最大の懸念事項である30年以内の県外搬出および最終処分の確実な実行を求めます。

国民健康保険

特定健診・特定保健指導の受診率向上など、医療費適正化の取り組みを強化します。

なお、一部負担金の免除措置が2020年2月まで延長されました。今後も避難生活が続く限り、国に財政支援を要望します。

福祉行政

長期の避難生活に応じた支援に加え、2019年度は町内の災害公営住宅整備を見据えた事業展開が必要となります。大熊町社会福祉協議会と連携しながら、生活支援相談員配置事業による見守り活動を充実させ、併せて避難者支援事業によるサロン活動を通してのコミュニティ活性化を図ります。

高齢者福祉

町内での緊急通報システムによる高齢者世帯等の見守りと、医療機関への外出支援サービス事業を再開します。また、町内福祉サービスの拠点として、大川原地区復興拠点内に認知症高齢者グループホームや住民福祉センター等の福祉施設を整備し、2020年度春の開所を目指します。

児童福祉

2018年度に実施した子育て町民ニーズ調査等に基づき、「大熊町第2期子ども・子育て支援事業計画」を見直し、町民に寄り添った計画として子育て支援を充実させます。

プレミアム付き商品券

消費税・地方消費税率10%への引き上げが低所得者・子育て世帯の消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えすることを目的として、プレミアム付き商品券事業を実施します。

保健衛生

生活習慣病の発症予防および重症化予防のため、特定健診の受診率向上を図り、企業等も含め関係機関と連携して特定保健指導の取り組みを強化します。

また今年度、「大熊町自殺対策計画」を策定し、精神保健の向上も図ります。

母子保健

今年度、「子育て世代包括支援センター」を立ち上げ、安心して子育てができるよう、保健・福祉・教育等の関係機関と連携し、妊娠期から子育て期にわたるまで切れ目のない支援体制を構築します。

町内の医療環境

町民が安心して帰町できるよう健康相談教室を実施するとともに、町立診療所の整備に向け準備を進めます。また、休止中の県立大野病院の早期再開を引き続き県に要望します。

放射線対策

放射線による健康不安に対応するため、帰町に合わせて総合相談窓口を設置します。

介護保険

第8期介護保険事業計画の策定に向け高齢者のニーズ調査を行います。

今年度も第1号被保険者介護保険料の減免と利用者負担金の軽減措置を行い、経済的な負担を軽減します。

応急仮設住宅

恒久的住宅への移行が進み、減少した入居者の孤立や防犯上の問題が生じるため、応急仮設住宅の集約を進めています。今後も統廃合を検討するとともに、経年劣化による不具合に対しても速やかに対応するなど、適正な維持管理に努めます。

公営住宅

帰町を選択した町民や企業の従業員・研究者が安心して居住できる環境を整備することを目的に、大川原地区の復興拠点内に災害公営住宅50戸と公的賃貸住宅40戸を整備しています。災害公営住宅は1月に入居予定者の抽選を行い、50戸すべてで入居予定者が決定しました。6月中の入居開始を予定しています。公的賃貸住宅は5月下旬に募集を開始し、10月からの入居開始を予定しています。

今後、復興拠点の整備状況に応じ、新たに帰還を選択される方に対応するため、災害公営住宅第2期分として40戸程度を新たに整備する予定です。

生活再建促進交付金

中間貯蔵施設の整備に伴う、長期避難の生活支援を目的とした「生活サポート補助金制度」の事業期間が10年間と長期にわたるため、亡くなられた方にはその後の分を支給できないほか、支給に係る事務委託料が高額となるため、この制度を2018年度分までで終了します。代わって、町に戻られる方や今後も避難先での生活を余儀なくされる方の生活再建の一部に充てるため、新たに「生活再建促進交付金制度」を創設し、震災時に町民だった方に一人当たり70万円を交付するための予算を今年度当初予算に計上しました。

一方、町内に帰還される方への支援として、新たに引っ越し費用の補助制度なども展開します。

町営墓地

大川原地区に新たな町営墓地の供用を開始しますので、募集等の準備を進めます。

防犯対策

防犯カメラを50台増設するとともに、車のナンバー認識システムでの監視、帰還困難区域での巡回警備、帰還困難区域以外での見回り隊の巡回を継続します。

また、役場庁舎の開庁に合わせ、大川原第一集会所を双葉警察署の臨時駐在所として運用し、地域の人が安心して暮らせるよう防犯強化に努めます。

消防団

避難により消防団活動が困難になっていますが、随時、団員の募集を継続し、帰町した住民宅への訪問、消防団の資機材の保全管理や町内の防火用水等の確認、検閲や訓練を実施し、帰還まで消防団の継続強化に努めます。

道路復旧等

震災により道路、水路、河川、海岸等が甚大な被害を受けたままです。帰還困難区域でも国・県の協力を得ながら復旧に努めるとともに、道路の整備、熊川の海岸堤防、河川の護岸整備を進めます。

大川原地区復興拠点では、今年度内の造成工事完成を目指し、地区外からの幹線道路の整備・計画を進めます。

除染

特定復興再生拠点区域内の除染が進められています。併せて本格的なインフラの整備や拠点としての位置付けを進めるとともに、今後も町内全域の除染を引き続き国に要望します。

JR大野駅周辺

JR常磐線は2019年度末の全線開通に向けて残る富岡~浪江間の整備が順調に進められており、町としても、大野駅舎や震災前に整備途中であった駅東口、そして駅西口の整備に向けてJR東日本と協議をしながら進めています。

大熊IC

大熊インターチェンジの供用開始に併せ、県道35号線 (山麓線)・インターチェンジ・国道6号線までの町道・県道を自由通行としました。交通量の増大が見込まれ、通行の安全を確保するため、中間貯蔵施設に出入りする大型車両のための専用道路の整備を、引き続き進めます。

農林水産

すでに大川原で出荷目的のタマネギが生産されており、昨年8月にはJA福島さくらを通じて震災後初となる野菜の出荷が実現しました。今後は福島大学と連携し、町内で栽培された農作物の放射能測定調査を行うとともに、国・県などの指導のもと、水稲の出荷制限解除に向けた実証栽培を継続し、除染後農地での水稲栽培マニュアルを作成します。

農地保全

大熊町農業復興組合による除染後の農地を対象とした草刈・耕起に加え、今年度からは地力増進作物の播種など新たな試みも実施します。帰還困難区域内の農地活用および保全を目的としたバイオマス活用事業は、半年におよぶ検討会を終え、具体的に方向性が見えてきました。今後は農地保全とバイオマス活用事業の一元的な展開を図ります。

いちご栽培施設

4月から施設管理運営者 「株式会社ネクサスファームおおくま」による栽培が開始されます。この事業により帰還町民の雇用創出、営農意欲の向上を図ります。

商工業

大川原復興拠点に整備する商業施設は5月に仮設店舗、来年2月に本設の整備を目指します。

また、宿泊温浴施設も2020年中の完成を目指します。

ふるさとまつり

大熊町内での開催を計画しています。震災後初となる古里での開催ですので、笑顔あふれる交流の場を提供します。

下水道

特定復興再生拠点の整備に向け管路を調査しています。処理施設についても現地調査を行います。

学校教育

それぞれの家庭の事情により園児、児童・生徒数の減少に歯止めがかかりません。子どもたちに 「大熊町の学校で学んでよかった」と言ってもらえるような、豊かで、質の高い教育環境を整備します。具体的には、本年度も読書活動と体験活動を柱に、小規模校の良さを最大限に生かし、一人ひとりの能力や個性を引き出す教育を徹底します。

新しい教育長とともに常勤の指導主事を新たに配置し、学校教育の充実に努めます。

社会教育

2017年度に立ち上げた 「地域学校協働本部」を仲立ちとして、社会教育主事を先導に子どもたちの「ふるさと創造学」の学習活動をとおしても、町民の学ぶ機会となるよう工夫します。

文化財レスキュー

文化財等の保護、特に民間所有の文化財のレスキューおよび震災遺構の保全に努めます。歴史的公文書の保管も含めたこれらアーカイブズとして収集した資料は、町アーカイブズ検討委員会で、展示をはじめ具体的な利活用方法、施設の建設・設置を可能な限り速やかに検討します。

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