○大熊町有害狩猟鳥獣捕獲等事務取扱要領

平成12年3月24日

要領

1 趣旨

鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「法」という。)第9条に規定する鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的に係る鳥獣の捕獲等の許可について、特に定めのあるもののほか、この要領によるものとする。

2 許可権限の範囲

福島県鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例第2条第1項第1号の規定により、狩猟鳥獣(ツキノワグマ及びニホンジカを除く。)の捕獲等(以下「有害狩猟鳥獣捕獲等」という。)に係るものに限り許可権限を有するものである。

3 有害狩猟鳥獣捕獲等の基本的考え方

有害狩猟鳥獣捕獲等は、鳥獣による農林水産物等の被害、生活環境の悪化、人身への危害又は植生の衰退や在来種の圧迫等の自然生態系の攪乱(以下「被害等」という。)が現に生じている場合に、その防止、軽減を図るために行われるものとする。

4 有害狩猟鳥獣捕獲等に係る許可基準

(1) 許可の考え方

有害狩猟鳥獣捕獲等のための許可は、被害等の状況及び防除対策の実施状況を的確に把握し、その結果、被害等が生じており、被害等防除対策によっても被害等が防止できないと認められるときにのみ行うものとする。

(2) 許可対象者

ア 有害狩猟鳥獣捕獲等は広域的かつ効率的に実施する必要があるため、国、地方公共団体及び法第9条第8項の環境大臣の定める法人を許可対象者とする。

イ 捕獲従事者は、使用する猟具の狩猟免許を有していなければならない。

ウ 捕獲従事者の人数は、捕獲等を実施するうえで適正な規模であること。

(3) 鳥獣の種類・員数

ア 捕獲等対象鳥獣の種類は、現に被害等を生じさせている種であること。

イ 具体的な捕獲数の上限は別表のとおりとし、被害等の防止、軽減の目的を達成するために必要最小限の羽(頭、個)数であること。

(4) 期間及び時期

ア 原則として被害時期と一致するものとし、表に定めるそれぞれの期間内でできる限り短期間とする。

イ 捕獲等対象以外の鳥獣の繁殖に支障がある期間は避けるよう考慮すること。

ウ 狩猟期間中の有害狩猟鳥獣捕獲等の許可については、狩猟の期間中は一般の狩猟と、また狩猟期前後の場合は狩猟期間の延長と誤認されるおそれがないよう、当該期間における捕獲等の必要性を十分に審査するなど、適切に対応すること。

(5) 区域

ア 捕獲等区域の範囲は必要最小限とし、被害地の所在する行政区域を限度とする。

イ 鳥獣保護区、銃猟禁止区域又は休猟区域内で捕獲等を実施する必要がある場合は実情を調査し、他の鳥獣の保護繁殖に支障が生じないよう配慮すること。

(6) 方法

ア 従来の捕獲等実績を考慮し、最も効果的な方法であること。

イ 法第12条第1項で制限(カラスの捕獲檻を除く。)されている猟法を用いないこと。

ウ 空気銃を使用した捕獲等は、半矢の危険性があるため、中・小型鳥類に限ってその使用を認めること。

5 事務手続き

(1) 申請

有害狩猟鳥獣捕獲等の許可申請は、鳥獣の捕獲等をしようとする事由を証する書面(以下「証明書」という。)を添えて次の各号に掲げる事項を記載した有害狩猟鳥獣捕獲等許可申請書(様式第1号)により行うものとする。

1) 申請書の記載事項

ア 申請者の主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名

イ 捕獲等をしようとする鳥獣の種類及び数量

ウ 捕獲等の目的、期間、区域及び方法

エ 捕獲等をした後の処置

オ 銃器を使用して鳥獣等の捕獲等をしようとする場合にあっては、当該銃器の所持について従事者が現に受けている銃砲刀剣類所持等取締法第4条第1項第1号の規定による許可に係る許可証の番号及び交付年月日

2) 添付する証明書

ア 被害発生状況調査書(様式第2号)

原則として被害状況を示す写真等を添付する。緊急の場合は後日追加するものとする。

イ 有害狩猟鳥獣捕獲等実施計画書(様式第3号)

ウ 有害狩猟鳥獣捕獲等依頼書写し(様式第4号)

3) 添付する図面

ア 被害区域及び捕獲等実施区域図(1/25,000または1/50,000のもの)

イ 銃器を使用する方法以外の方法を用いて捕獲等をしようとする場合にあっては、当該方法を明らかにした図面

ウ 捕獲等従事者が狩猟免許を有していることが確認できる書類(狩猟免状の写し等)

エ その他必要となる書類

(2) 許可の判断

ア 申請書類の内容を審査し、必要に応じて被害地の調査を行い、捕獲等を実施することもやむ得ないと認められる場合に、上記4の許可基準の範囲内で有効期間を定め許可するものとする。(法第9条第3項及び第4項)

イ 鳥獣の保護、生態系の保護又は住民の安全の確保及び指定区域の静穏の保持のため必要があると認められた場合には、許可に条件を付するものとする。(法第9条第5項)

(3) 許可証の交付

ア 許可の際には、許可証(鳥獣の保護又は鳥類の卵の採取等)(以下「許可証」という。)(様式第5号)及び従事者証(様式第6号)を交付する。

イ 許可証は、原則として捕獲等を行う鳥獣別に交付するが、期間、方法、区域がすべて同じ場合は、併記して交付することができるものとする。

ウ 必要に応じて、許可を受けた者に対して、捕獲等個体のデータ等の報告を求めるものとする。(法第75条第1項)

(4) 許可の通知

鳥獣捕獲等の許可をした場合には、次の者にその旨を通知するものとする。

ア 捕獲等区域を担当する鳥獣保護員

イ 相双地方振興局長

ウ 捕獲等区域を管轄する警察署長

エ 捕獲等区域の狩猟者団体の長

オ 捕獲等区域を管轄する森林管理署長等(国有林内で捕獲等を実施する場合)

(5) 住所等の変更届

1) 許可証等の交付を受けた法人は、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名を変更したとき、又は従事者証に記載された者の住所又は氏名に変更があったときは住所等変更届出書(様式第8号)に許可証等を添えてその事実が発生した日から2週間以内に町長に提出しなければならない。(法施行規則第7条第10項及び第11項)

2) 変更届出があったときは、その内容を確認のうえ許可証等を訂正し届出人に返戻すること。

(6) 許可証等の亡失届

1) 許可証等の交付を受けた法人は、許可証等を亡失したとき、又は従事者証を亡失した者があるときは、許可証等亡失届出書(様式第8号)を遅滞なく町長に提出するものとする。ただし、再交付の申請をした場合はこの限りでない。(法施行規則第7条第12項及び第13項)

2) 亡失届出があったときは、その内容を確認のうえ亡失理由が相当と認められる場合には、再交付申請の指導を行うものとする。

(7) 許可証等の再交付

1) 許可証等の交付を受けた法人から、亡失または損傷の理由により許可証等再交付申請書(様式第8号)が町長に提出された場合は、前記(3)の取り扱いにより再交付するものとする。(法第9条第9項)

2) 再交付等の許可証等の有効期間は当初許可証等の残存期間とすること。

(8) 許可証等の返納及び捕獲報告

ア 許可証等の交付を受けた者は、許可証等が効力を失った日から30日以内に許可証等を返納するとともに捕獲等の結果を報告しなければならないので、許可の際にその旨を指導するものとする。(法第9条第11項及び第12項)

イ 報告は、許可証にその内容を記入するとともに、有害狩猟鳥獣捕獲等実施状況報告書(様式第7号)を添付するよう指導するものとする。

(9) 対象鳥獣捕獲等の参加の証明

1) 許可証等の交付を受けた者が、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律附則第3条第1項に規定する特定鳥獣被害対策実施隊員等であって、特定鳥獣被害対策実施隊員等に関する命令第3条の規定により参加証明を求める場合は、対象鳥獣捕獲等参加を証する証明書の交付申請書(様式第9号)に必要な資料を添えて町長に提出する。

2) 証明書の交付申請があったときは、その内容を確認のうえ対象鳥獣捕獲等参加証明書(様式第10号)を交付するものとする。

6 捕獲等体制の整備

(1) 有害狩猟鳥獣捕獲等については迅速かつ効果的な捕獲等が求められるので、申請者に対して、おおむね10名前後の捕獲等従事者から構成する捕獲隊を編成し効果的な捕獲等実施体制の整備を図るよう指導するものとする。

(2) 捕獲隊員は、原則として狩猟歴3年以上の者とするよう指導するものとする。(甲種免許所持者についてはこの限りではない。)

(3) 捕獲隊を編成した場合は、捕獲隊全員が損害賠償保険に加入するよう指導するものとする。

7 有害狩猟鳥獣捕獲等実施における指導事項

有害狩猟鳥獣捕獲等を許可した場合には、必要に応じて許可を受けた者に対して次の事項を指導するものとする。

(1) 捕獲等を実施する際には、事前に地域住民に対し、捕獲等の実施、方法等について周知を図り、事故防止に万全を期すること。

(2) 捕獲等従事者に対して、許可の内容(捕獲等期間、捕獲等方法、捕獲等区域、捕獲等鳥獣等)について説明し、法令違反のないようにすること。

(3) 捕獲等の実施が判るように捕獲等従事者に腕章を着用させること。

(4) 捕獲等従事者は捕獲等の際に従事者証を必ず携帯しなければならないこと。(法第9条第10項)

(5) 網、わなの猟具により捕獲等する場合は、その猟具に許可を受けた者の住所、氏名、捕獲等許可番号、許可期間及び有害狩猟鳥獣捕獲等である旨等を明記した標識を付けること。

(6) 捕獲物については、捕獲等の目的に照らして適正に処理し、山野に放置することのないよう指導すること。(法第18条)また、学術研究などに利用できる場合は努めてこれを利用するよう指導するものとする。

8 措置命令等

(1) 措置命令

法第9条第1項の規定に違反して許可を受けないで鳥獣の捕獲等をした者は同条第5項の規定により付された条件に違反した者に対し、法第10条第1項の規定に基づき当該違反に係る鳥獣を解放することその他必要な措置をとるよう命ずることができる。(法第10条第1項)

(2) 許可の取り消し

許可を受けた者が、法若しくは法に基づく命令の規定又は処分に違反した場合は、その許可を取り消すことができる。(法第10条第2項)

9 その他

人が排出する生ゴミ等への依存が、野生鳥獣による被害等の誘因となっていることに鑑み、被害等の防止の観点から、生ゴミ等の適正な処理や餌やり行為の防止についても必要な指導を行うとともに、関係方面への周知徹底を図ることとする。

この要領は、平成12年4月1日より施行する。

(平成15年6月16日要領第1号)

この要領は、公布の日から施行する。

(平成25年11月8日訓令第7号)

この要領は、公布の日から施行する。

(令和4年6月13日訓令第19号)

この訓令は、公布の日から施行する。

別表

有害狩猟鳥獣捕獲等に係る鳥獣捕獲等許可基準一覧

区分

鳥獣名

許可日数

1件についての許可数

捕獲等方法

鳥類

スズメ類

16

300羽

銃器

10

1,000羽

カラス類

30

200羽

銃器

30

300羽

捕獲檻

カルガモ

16

50羽

銃器・網

ムクドリ

ヒヨドリ

16

100羽

銃器・網

キジバト

16

20羽

銃器・網

その他

許可権者がその都度定める

左に同じ

左に同じ

獣類

ノウサギ

20

20羽

銃器

30

50羽

わな

イノシシ

64

許可権者がその都度定める

銃器

64

許可権者がその都度定める

わな

ハクビシン

64

許可権者がその都度定める

銃器

64

許可権者がその都度定める

わな

その他

許可権者がその都度定める

左に同じ

左に同じ

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大熊町有害狩猟鳥獣捕獲等事務取扱要領

平成12年3月24日 要領

(令和4年6月13日施行)

体系情報
第8編 業/第1章 林/第4節
沿革情報
平成12年3月24日 要領
平成15年6月16日 要領第1号
平成25年11月8日 訓令第7号
令和4年6月13日 訓令第19号