○大熊町情報公開条例

平成12年9月27日

条例第33号

(目的)

第1条 この条例は、町民の公文書の開示を求める権利を明らかにするとともに、公文書の開示及び情報提供の推進に関し必要な事項を定めることにより、町民の町政に対する理解と信頼を深め、もって開かれた町政を一層推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「実施機関」とは、町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。

2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書、図面及び写真(電子情報処理組織、その他これに類する記録媒体から出力されたものを含む。)で、決済又は回覧の手続が終了し、実施機関が管理しているものをいう。

3 この条例において「公文書の開示」とは、公文書を閲覧に供し、又は公文書の写しを交付することをいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、町民の公文書の開示を求める権利が十分に尊重されるようこの条例を解釈し、及び運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を受けたものは、それらによって得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用しなければならない。

(請求権者)

第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対して、当該実施機関の保有する公文書の開示を請求することができる。

(実施機関の開示義務)

第6条 実施機関は、公文書の開示の請求(以下「開示請求」という。)があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報のいずれかが記録されている場合を除き、当該開示請求に係る公文書の開示をしなければならない。

(1) 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定又は法的拘束力のある指示により開示をすることができないとされている情報

(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人が識別され、又は識別され得るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令等の規定により何人も閲覧することができる情報

 公にし、又は公にすることを予定して実施機関が作成し、又は取得した情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 法令等の規定による許可、免許、届出等に際して実施機関が作成し、又は取得した情報であって、開示をすることが公益上必要であると認められるもの

 公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)の職務の執行に係る情報に含まれる当該公務員の職及び氏名に関する情報

(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、開示をすることにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上若しくは事業運営上の地位その他の正当な利益を害すると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の生命、身体又は健康を保護するために、開示をすることが必要であると認められる情報

 違法又は著しく不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある支障から人の財産又は生活を保護するために、開示することが必要であると認められる情報

 又はに掲げる情報に準ずる情報であって、開示をすることが公益上必要であると認められるもの

(4) 開示をすることにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防又は捜査その他の公共の安全の確保及び秩序の維持に支障が生ずると認められる情報

(5) 町の機関と国、他の地方公共団体その他の公共団体又はこれらに類する公共的団体(以下「国等」という。)の機関との間における協議、依頼等に基づいて実施機関が作成し、又は取得した情報であって、開示をすることによって国等との協力関係が損なわれ、当該協議又は依頼に係る事務事業の適正な執行に支障が生ずると明らかに認められるもの

(6) 町の機関又は国等の機関が行う事務事業に係る意思形成過程において、町の機関内部若しくは機関相互又は町の機関と国等の機関との間における審議、検討、調査、研究等に関し実施機関が作成し、又は取得した情報であって、開示をすることにより当該事務事業に著しい支障が生ずると明らかに認められるもの

(7) 町の機関又は国等の機関が行う検査、監査及び取締り等の計画、争訟及び交渉の方針、渉外、入札、試験、徴税、人事その他町若しくは国等の機関が行う事務事業に関する情報であって、当該事務事業の性質上、開示することにより、当該事務事業の実施目的を失わせ、又は当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の公正かつ円滑な執行を著しく困難にすると認められるもの

(公文書の部分開示)

第7条 実施機関は、開示請求に係る公文書に前条各号のいずれかに該当する情報が記録されている部分がある場合において、当該情報が記録されている部分とそれ以外の部分とを容易に、かつ、開示請求の趣旨が損なわれない程度に分離できるときは、同条の規定にかかわらず、当該情報が記録されている部分を除いて、当該文書の開示をしなければならない。

2 開示請求に係る公文書に前条第1項第2号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

(公文書の開示の請求方法)

第8条 公文書の開示を請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。

(1) 開示請求をしようとするものの氏名及び住所(法人等にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 開示請求をしようとする公文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

(公文書の開示請求に対する決定等)

第9条 実施機関は、前条の規定による請求があったときは、請求書を受理した日から起算して15日以内に、開示請求に係る公文書の開示をするかどうかの決定をしなければならない。

2 実施機関は、前項の決定をしたときは、速やかに、当該決定の内容を書面により前条の請求書を提出したもの(以下「請求者」という。)に通知しなければならない。ただし、当該決定が開示請求に係る公文書の全部を当該請求書に受理した日に開示する旨の決定であるときは、口頭により通知することができる。

3 実施機関は、公文書の開示をしない旨の決定(第7条の規定により開示請求に係る公文書の一部を開示しないこととする場合の開示をしない旨の決定を含む。)をしたときは、前項の書面にその理由を記載しなければならない。この場合において、当該公文書の全部又は一部について開示をすることができるようになる期日が明らかであるときは、当該期日を付記しなければならない。

4 実施機関は、やむを得ない理由により、第1項に規定する期間内に同項の決定をすることができないときは、必要な限度においてその期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに、延長の期間及び理由を書面により請求者に通知しなければならない。

5 実施機関は、第1項の決定をする場合において、当該決定に係る公文書に、町以外のものに関する情報が記録されているときは、あらかじめ、当該町以外のものの意見を聴くことができる。

(公文書の開示の実施)

第10条 実施機関は、前条第1項の規定により公文書の開示をする旨の決定をしたときは、速やかに、請求者に対して当該公文書の開示をしなければならない。

2 実施機関は、開示請求に係る公文書の開示をすることにより当該公文書が汚損し、又は破損するおそれがあるとき、第7条の規定により公文書の一部の開示をするときその他相当の理由があるときは、当該公文書の開示に代えて、当該公文書を複写したものを閲覧に供し、又はその写しを交付することができる。

(費用負担)

第11条 前条の規定により公文書(公文書を複写したものを含む。)の写しの交付を受けるものは、その写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第11条の2 第9条第1項の決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審査請求があった場合の手続)

第12条 実施機関は、第9条第1項の決定又は開示請求に係る不作為について、審査請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに、大熊町情報公開審査会に当該審査請求に対する裁決について諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(町以外のものから当該公文書の開示について反対の意思を表示した書面が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 実施機関は、第1項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重して、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。

(大熊町情報公開審査会)

第13条 前条第1項の規定による諮問に応じて審査を行わせるため、町長の附属機関として大熊町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、前項の審議を行うほか、情報公開制度の運営に関する重要事項について、実施機関に建議することができる。

3 審査会は、委員5人以内で組織する。

4 審査会の委員(以下「委員」という。)は、学識経験を有する者の中から町長が委嘱する。

5 委員の任期は、4年とし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任は妨げない。

6 審査会は、第1項に規定する審議のため必要があると認めた場合には、審査請求人、実施機関の職員その他の関係者の出席を求めて意見若しくは説明を聴き、又は必要な資料の提出を求め、若しくは調査をすることができる。

7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

8 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が規則で定める。

(他の制度との調整)

第14条 法令又は他の条例の規定により、公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本その他の写しの交付を求めることができる場合における当該公文書の開示については、当該法令又は他の条例の定めるところによる。

(適用除外)

第15条 図書館において収集、整理又は保存している図書、図面等で、現に町民の利用に供することを目的としているものについては、この条例の規定は、適用しない。

2 第5条から第13条までの規定は、平成13年3月31日以前に決済又は回覧の手続が終了した公文書については、適用しない。

(公文書の任意開示)

第16条 実施機関は、第5条各号に掲げるものから前条第2項に規定する公文書の開示の申出があったときは、当該公文書の開示をするよう努めるものとする。

2 実施機関は、第5条各号に掲げるもの以外のものから公文書の開示の申出があったときは、当該公文書の開示をするよう努めるものとする。

3 第11条の規定は、前2項の規定による公文書(公文書を複写したものを含む。)の写しの交付について準用する。

(公文書の検索資料の作成)

第17条 実施機関は、公文書の開示の用に供するため、公文書の目録等公文書を検索するための資料を作成しなければならない。

(実施状況の公表)

第18条 町長は、毎年1回、各実施機関がこの条例の規定に基づき行う公文書の開示の実施状況を取りまとめ、公表しなければならない。

(情報提供活動の充実)

第19条 実施機関は、この条例に定める公文書の開示のほか、町民が町政に関する情報を迅速かつ容易に得られるよう広報活動、行政資料の提供等の情報提供活動の充実を図り、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。

(出資法人の情報開示)

第20条 町が出資その他の財政上の援助等を行う法人(地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第152条第1項に定める法人等。以下「出資法人」という。)は、経営状況を説明する文書等その保有する文書の開示に努めるものとする。

2 町長は、実施機関に対して出資法人が保有する文書であって、町が管理していないものについて、その閲覧又はその写しの交付の申出があったときは、出資法人に対して当該文書又は当該文書を複写したものを実施機関に提出するよう求めることができる。

(委任)

第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が規則で定める。

この条例は、平成13年4月1日から施行する。

(平成28年3月16日条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。

(平成29年9月21日条例第13号)

この条例は、公布の日から施行する。

大熊町情報公開条例

平成12年9月27日 条例第33号

(平成29年9月21日施行)