山開きのシーズンですね。
大熊町には日隠山という山があります。
町からみると南西に位置していて、日がその山の方向に沈むことからその名がついたそうです。
標高 601.5 メートルの緑に覆われた山で、毎年4月29日のみどりの日に山開きが行われます。
その時は、地元や近くの町などからおよそ 700人の登山者が訪れます。
豚汁のサービスやお楽しみ抽選会もあるということで、ぜひ山開きの日に行きたかったのですが、残念ながら用事ができていけませんでした。
ということで、大型連休を利用して登ってみることにしました。
5月4日快晴。絶好の登山日和になりました。
大熊町役場から車で10分ほど。桜とへらブナ釣りで知られる坂下ダムから、登山道が整備されています。
この時期の坂下ダム、八重桜がきれいでした。
片道2時間ほどの気軽な登山と聞いていたので比較的 軽装ですが、初夏の紫外線はお肌によくないので、日焼け止めはばっちりです。
さて、頂上 目指してスタート!
はじめは林の中のちょっと薄暗い道を進みます。
足下は枯葉に覆われていて歩くたびにかさかさと音をたてます。
しばらくすると、私と連れの足音以外に何か物音が。「蛇!」
体長70センチほどの細身で茶色の蛇がうねうねと登山道を横切っているのでありました。
やっぱりこの時期、気持ちよくなって散歩したくなるのは私も蛇も同じねと思いつつ、どきどきを押さえながら進んでいくと、木の看板に出会いました。
「啼き啼き坂(なきなきざか)」とあります。
ここから30分くらいはちょっときつめの道が続くので覚悟してくださいということらしい。
気合いを入れてもくもくと登山道を進みます。
日頃の運動不足のためかちょっと息が荒く、汗もかいてきました。
ふと、立ち止まって回りを見ると大きな木に囲まれていました。
この木のおかげで日陰が出来、空気がひんやりしています。
聞こえてくるのは、木々が揺れるざわざわという音とウグイスの鳴き声。
気持ちよい風に汗もひいていきます。
(写真の鳥が何かは不明。でも数種類の鳥の声がしました)
山っていいなあと心から思いつつ、おいしい空気を胸いっぱいに吸い込みました。
啼き啼き坂を越えた頃、少し広い道に出ました。
日当たりのよい明るい道は、萌葱色の新緑に囲まれていました。
道沿いには山ツツジが見頃でした。
風に朱色の花が揺れてこんにちはと挨拶してくれているようです。
このあたりは開けていて日当たりがよく暖かいところで、「姥懐(うばふところ)」と呼ばれています。
昔、地元の子どもたちのよい遊び場だったそうです。
丁度のどが乾いてきた頃、清水が湧き出ている所にたどり着きました(参詣清水)。
竹を通じてちょろちょろと清水が流れていて中年女性2人連れがおいしそうに水を飲んでいました。
清水の近くには木のベンチがあり、年配の男性が腰を下ろし、くつろいでいます。
水場は登山者の憩いの場になっているようです。
私も清水を味わいました。
とても冷たくおいしい水でした。
水分を十分に補給した後、20分ほど歩くと、「ロマンの広場」という物見台がありました。
ここはとっても見晴らしがよかったですよ。
この日は霞んでいてあまりはっきりしませんでしたが、海がうっすら見えました。
東屋があって、景色を見ながらしばしくつろぐのには絶好の場所です。
山頂まで、もうすぐなんですがここで満足してしまいそうになります。
ここから頂上までは、20分ほど。
最後は石がごろごろした急な坂を登ります。
途中、大きな石が積み重なった「天狗岩」に出会いました。
昔、修験者がこの岩の上を飛び回っていたのが天狗のように見えたのでこの名がついたそうです。
さあ、山頂に到着。
木が生い茂っているので今一つ見晴らしはよくありませんが、ここまで2時間半、いい運動になりました。
なだらかな道が多く、緑の中を進むので森林浴もでき、気分爽快です。
お腹もすいて、おにぎりを食べたいところですが、ここより少し降りたところに眺めのよい場所があると聞き、行ってみることにしました。
「望洋台」という看板があり、周りに木も少なくその名の通り眺めのいい場所です。
持ってきたおにぎりを食べながら日隠山からの景色を満喫!
もちろんゴミは持ち帰りましょう!
日隠山は登山道が整備されており、子供からお年寄りまで、初心者でも気軽に楽しめます。
また大熊町は浜通りに面しているので、これからの夏の時期も暑すぎず快適な山登りができるのではないでしょうか。
(平成15年5月)