町の状況

避難状況図

 東日本大震災に起因した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、全町民11,505人が町外への避難生活を余儀なくされており、町役場についても約100km西に位置する会津若松市、南に約40kmに位置するいわき市に移転をして行政運営をしています。また、平成28年4月には二本松市に設置していた中通り連絡事務所を郡山市に、さらには本格的な帰町に向け大熊町に大川原連絡事務所を設置しております。

 町民の避難先としては、いわき市、会津若松市等を中心に福島県内に約7割が避難しており、残りの方については埼玉県、茨城県、東京都等に避難をしております。

 平成24年12月には、町民の約96%が居住していた地域が「帰還困難区域」に再編され、町としても「5年間は帰町しない」という判断をいたしました。

 町の主要機能を含む町土の大部分が帰還困難区域に指定され、当該区域については本格除染の計画がない状況にあるなど、復興に向けた多くの課題に対して明確な時間軸の設定が出来ない状況にあり、全町民の避難から5年以上が経過した現在においても、具体的な復興への取り組みが出来ておりません。

 町では、平成25年度に策定した「大熊町まちづくりビジョン」にて、本格除染が完了し比較的放射線量の低い大川原地区を町全体の復興の加速を図るための最初のフィールドとして開発を行うこととしました。

 また、平成27年3月に策定した「大熊町第二次復興計画」において、「町民生活支援」と「町土復興」を2本の柱に掲げ、「避難先での安定した生活」と「帰町を選択できる環境づくり」を目指していくこととしました。

 平成28年8月には、帰町への第一歩として、町内初の特例宿泊が居住制限区域の大川原地区と避難指示解除準備区域の中屋敷地区で行われました。

 町は、賠償、住宅の確保、風評被害といった短期的喫緊の課題から、町政機能(学校含む、いわゆる「町外コミュニティ」)、除染、中間貯蔵施設、廃炉処理といった中長期に渡る事項まで多様な課題に直面しています。

 課題の多くは近隣市町村や、県、国の政策と緊密な調整が必要な事項となるため、今後とも関係機関と検討・調整を行い課題解決に努めていきます。

 

※現在の町の状況(写真)は、「大熊町写真館」に掲載されております。

 

大熊町案内図
大熊町内図

Recovering from Nuclear Disaster April 25,2013 (PDF/2.20MB)

Road To Recovery From The Nuclear Accident Janualry 13,2012 (PDF/2.37MB)

 

町の直面する課題

 復興の取り組みを進めていく中で、町の直面する主な課題は以下のとおりです。

 

時間軸の明確化

 策定をしました第二次復興計画では、復興に向けての今後10年程度を展望した町の方向性や施策をとりまとめいたしましたが、以下の事項が明確になっていないため、本来設定すべき帰町時期を計画にてお示しできない状況にあります。

不確定な除染効果

 町内の避難指示解除準備区域(中屋敷)と居住制限区域(大川原地区)では除染が完了しましたが、宅地と森林等の違いにより、除染効果にバラツキがある状況にあります。

 また、町民の約96%が居住していた地域が高線量地域(帰還困難区域)となっており、現時点では本格除染の計画がない状況にあります。

線量の明確な基準

 今回の原発事故による生活環境、健康、食品等に係る追加被ばく線量について、現段階では明確な世界的基準がない状況にあります。

 町民の健康被害や風評被害を避けるためにも、客観的、科学的な追加被ばく線量基準の根拠が必要となります。

原子力発電所事故の収束、廃炉の明確化

 町内において安心した生活を過ごせるためには、東京電力福島第一原子力発電所1~4号機について、事故の完全な収束と安全で円滑な廃炉措置が確実に進められていくことが必要となりますが、廃炉作業において度々トラブルが発生している状況にあります。

町は、事業者である東京電力を今後も厳しく監視すると共に、国(政府)に対しても事業者任せにせず国策として原子力政策を進めてきた責任者として前面に立った対応をとるよう求めていきます。

中間貯蔵施設

 国が大熊、双葉両町に建設を計画している中間貯蔵施設については、平成25年12月に設置受け入れを要請されて以来、国や県をはじめ関係機関と議論を重ねてまいりました。平成26年9月には県知事が国に建設を受け入れる旨を回答し、町としても町議会や行政区長会と協議を重ね、平成26年12月に施設の建設受け入れを判断いたしました。

 また、搬入受け入れについては、県が示す県外最終処分の法案の成立等5項目に関する国の対応状況が示され、概ね県及び地元自治体の意向を踏まえた対応がなされていることを確認したと共に、国と県、大熊、双葉両町において安全協定を締結し、苦渋の決断ではありますが、総合的な観点から搬入受け入れはやむを得ないとの判断をいたしました。

町としましては、事業者である環境省に対し、地権者への丁寧な説明と十分な理解をいただく努力を継続しておこなうよう要望していくと共に、安全対策については引き続き国、県と協議、連携を図ってまいります。

 上記の課題解決には具体的な期限等を示す必要があり、町では国に対して『いつまでに、どのような状況になるのか』という時間軸を早急に示すよう強く要望をしており、今後、適時見直しをしていく復興計画に反映をさせ町民の皆さまにお示しをしていきます。

生活再建の遅れ

住宅の確保

 原子力発電所事故に伴う避難により、元々一緒に生活していた家族が、職場や子供の学校の変更等の様々な事情によりバラバラに生活しなければならない状況を強いられています。

 現在、そうした状況を改善するための施策の一つとして、町外コミュニティの形成を検討していますが、復興公営住宅については、建設が遅れている状況にあります。

 町では町民が少しでも落ち着いた生活が過ごせるように、今後も様々な施策を国及び県と協議を行うとともに、町外コミュニティの形成については国及び県に対してリーダーシップを持った対応をするよう求めています。

 また、県外へ避難をしている方に対する住宅の確保についても、特別な対策を検討するよう求めていきます。

雇用の確保

 現在、町の全域が避難指示区域に指定されており、一次産業に従事していた方や町内に工場が立地していた企業等は、事業再開が出来ない状況にあります。

 国による具体的な雇用政策が必要となります。

賠償問題

 町では国に対して、長期避難を余儀なくされる町民が今後の生活再建が見通せるよう、東京電力が町民に対して実態に応じた損害賠償を迅速かつ確実に行うよう国の責任において指導するよう求めております。

 さらに、東京電力では住居確保損害の賠償を開始しましたが、内容については複雑であり、町民に対して丁寧な説明を求めると共に、適正な賠償がなされるよう、また、未だ請求が開始されていない賠償項目についても早急に開始されるよう求めている状況です。

多様なニーズへの対応

  現在、仮設・借り上げ住宅に住んでいる町民に対する今後の住環境、教育・子育てに係る問題、避難先での精神的ストレスや風評被害など、避難の長期化に伴って課題が多様化しています。

 町民の様々な思いに応えるために、家族構成等のパターン別の支援内容を検討し作成した復興計画をもとに、今後も町民のニーズに一つひとつ細かく対応をしていく必要があります。

 町民の皆さまが「大熊町出身」であることに誇りを持ち続けることが出来るよう、今後も強い意志を持って復興に向けて取り組んでいきます。

被害及び避難状況

1.被害状況(平成29年3月31日現在)

人的被害:死者131人(直接死11人、関連死120人)、行方不明1人
家屋被害:津波による全壊48棟                                                                                                            地震による全壊106棟、大規模半壊243棟、半壊1039棟、一部損壊21棟(現在も調査継続中)

                  

2.避難先等の状況
ア. 人口

11,505人(平成23年3月11日現在)
10,591人(平成29年5月31日現在)△914人

イ.主な避難先(平成29年5月1日現在)

◆福島県内の主な避難先地域

 浜通り地方 5,092人 会津地方 1,123人 県中地方 1,793人

◆福島県外の主な避難先都道府県

 茨城県 483人 埼玉県 393人 東京都 265人

避難状況の詳細を見る(大熊町公式サイトにとびます)

 

住宅状況

1.仮設住宅(平成29年4月30日現在)

入居戸数425戸(会津若松市108戸、いわき市317戸)

2.民間借上げ住宅等(平成29年2月28日現在)

入居戸数847

 

園児・児童・生徒の就学状況

平成29年4月7日現在

  29年度就学者総数 町立校在籍者数 町立以外(県内) 町立以外(県外)
幼稚園 318 5 226 87
小学校 674 25 459 190
中学校 345 20 223 102(り災不明1)