大熊町長より新年のごあいさつ

平成29年の始まりに当たり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

東日本大震災から、はや5年9か月が過ぎました。 省みますと短くもあり、また長くも感じられる幾月でした。いまだ先の見えない避難生活を皆さんに強いていますこと、行政を預かる者として心苦しい限りです。 今年こそ復興を実感でき、 希望が持てる一年となるよう全力を注ぎます。

町内の風景は変わりつつあります。 大川原に建設された東京電力の単身寮ではすでに700人を超える社員が生活しており、 廃炉や汚染水対策に当たる民間企業の事業所が町民の避難所機能を兼ね備える形で整備されています。そうした中、昨年8月と9月に中屋敷と大川原で特例宿泊が行われました。 限られた地区ではありましたが、 震災後初めて我が家で夜を明かした皆さんは、感慨深かったことと思います。 周辺市町村では避難指示解除の動きが相次いでいます。

 大熊町長 

当町としても社会基盤の復旧状況などを慎重に判断した上で、 将来の避難指示解除を見据えた準備に取り組まなければならない段階にあると考えています。

まずは役場庁舎ですが、 大川原の復興拠点に30年度末までの整備を目指します。これに合わせて商業施設や駐在所、診療所の整備も図り、帰還後は安全・安心な暮らしを送るための基盤をつくります。

一方、 第二の復興拠点と位置付ける下野上地区は、除染面積をさらに拡大し、地元企業の事務所や資材置場の用地確保や分譲用の宅地整備など、ご要望の多い件に対応できないか模索します。常磐自動車道の追加インターチェンジ、 県立大野病院再開への環境づくり、JR大野駅周辺の整備など課題は山積です。 国道6号からJR常磐線までの区域、常磐道西側の復興計画策定と合わせ、対策を急ぎます。

避難が続く中での生活支援策は、 町民の皆さんにとって最大の関心事です。 昨年、生活サポート補助金事業が始まりました。 初めての制度で、事務の煩雑さや周知が不十分だったことなどでご批判もいただきました。今後も国と協議の上、よりよい事業に改善できるよう努力します。 併せて高速道路無料化や医療費減免の継続を引き続き強く要望していきます。

大阪府にお住まいの女性が毎年暮れに、1万円を添えた励ましの手紙を送ってくださいます。「年金受給者で気持ちしか伝えられませんが 」という言葉に心打たれます。 私たちはこの女性をはじめ、多くの方々から物心両面で支えられて現在があることを忘れてはなりません。ご恩への感謝、そして大熊町民としての誇りを胸に刻み、自らの足で前へ進むべきなのです。

乗り越えるべき壁はまだ高いですが、職員と一体で、議会と協力してふるさとの再生を実現します。 今年もご指導、ご協力をお願いします。


大熊町長 渡辺 利綱