新年のご挨拶

年頭にあたり、町民の皆さまに謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

光陰矢の如し、避難先で5度目の正月を迎えることとなりました。復興への歩みが遅いとの批判もありますが、今年こそ希望につながる良い年になりますよう願っております。

昨年の3月1日には、常磐自動車道が全線開通となったほか、9月にはJR常磐線の試験除染も開始され、これらにより物流、人の往来も増大し、復興に弾みがつくものと期待しております。

4月に開校したふたば未来学園には、郡内の多くの子どもたちが、希望に胸をふくらませて校門をくぐりました。著名な講師陣やユニークな入学式の様相から限りない可能性を感じました。

 

先が見通せない中で光も見え始めています。去る3月に町復興の基本理念である第二次復興計画を策定しました。避難先での安定した生活(町民生活支援)と帰町を選択できる環境づくり(町土復興)を二本柱とし、平成30年度までには復興拠点と位置付けた大川原地区に住環境を整備します。周辺には給食センターや太陽光発電が稼働したほか、企業事務所、植物工場、東京電力従業員宿舎建設が計画中です。下野上地区に整備される復興インターチェンジも早期完成を目指します。帰還困難区域の先行除染も始まりましたが、面積の拡張が急務です。

併せて、町民の皆さま方の意向・要望をしっかりと把握し、希望する方々のため、町内の復興公営住宅について早い時期に絵姿を提案したいと考えております。また、公営墓地の建設についても28年度内の希望者受付を目指します。なお、中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金を活用した避難先での生活支援策についても、今年4月からの導入を目途に協議しており、年度内に広報紙などで内容を周知します。古里との絆を維持するための事業や、生活空間の維持向上、風評被害払しょくのための経費等が該当します。

また、医療や福祉、商業圏の整備、新たな雇用の創出、農業の復活も町土の復興には不可欠です。さらに、将来を担う子どもたちの教育のあり方は、議論も含め腰を据えて取り組まなければならない重要な課題です。

このように克服しなければならない課題は山積です。しかし、立ち止まることは許されません。時間がかかっても着実に前進するよう全力を傾けます。

新年度には産業建設課と環境対策課をいわき市に移動するなど、いわき出張所の機能を強化します。これら組織の見直しや事務の効率化を図り、町民ニーズに応える行政サービスに努めます。さらに、大川原地区での役場機能再開を目指し準備事務所を設置します。

震災、原発事故から間もなく5年になります。私も初心を忘れず、議会と連携し、職員と一丸となって町の復興、再生に全力を傾注いたしますので、ご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。


大熊町長 渡辺 利綱